取り組み事例紹介

学校法人 明治大学

低学年時から始める留学生専門のキャリア教育

Q. 貴校における留学生就職支援の取り組みについて教えて下さい。

本学での留学生就職支援については、就職キャリア支援事務室において、全てのキャンパスで外国人留学生向けの就職支援行事を実施しています。就職キャリア支援行事の内容については、ガイダンス、筆記試験・面接・業界研究等に関する各種講座、在留資格やビジネス日本語に関する講座、企業説明会等多岐にわたり実施しております。
 特徴的と言えるのが、就職活動のためのビジネス日本語講座やBJTビジネス日本語能力テストの受験料補助等の日本語能力をブラッシュアップするための取り組みや在留資格変更の相談やガイダンスなどの支援を行っていることです。
 また、国際教育センターでは、日本企業に就職を希望する正規課程の外国人留学生の方々を対象として、就職キャリア支援事務室が実施する就職支援を補完する取り組みを行っています。その1つとして、2013年度より主として学部1.2年生の外国人留学生の方で、日本企業への就職を希望される方々を対象として早期より日本企業に対する理解を得る機会を提供する「グローバルリーダー育成プログラム」を実施しています。

Q. グローバルリーダー育成プログラムとはどのような事を行っているのでしょうか。

グローバルリーダー育成プログラムは、学部3年生から本格的に始まる就職キャリア支援事務室が行う就職活動支援の前段階として、低学年時より日本企業への就職を視野に入れた「キャリア」を考える「場」を提供することを目的として課外講座として国際教育センターが実施しているものです。
 グローバルリーダー育成プログラムでは、セミナーと情報提供の2つの事業を行っています。セミナーについては、グローバルリーダー育成セミナーを外部の講師を招聘し、年間を通じて5回程度の講義を行っています。昨年度は、日本企業の文化理解や業界別の企業文化の特徴、日本企業で求められる資質・能力、企業の本社機能と現場の役割、キャリアビジョン形成などを題材とし、グループワークを中心に実施しました。
 また、グローバル企業セミナーでは、キャリア関係の企業のイベント等とも連携して実施しており、、企業の人事戦略などの講演が聴ける機会を提供しています。実際の企業の人材戦略が聞けると言うことで早期の企業研究の役割を果たしています。
 さらに、日本で就職活動を行う為には高度な日本語能力が必要になるため、語学能力は一日で習得することは困難なことから、早期から準備を行う為に中小企業庁で実施している地域中小企業の人材確保定着支援事業とタイアップしてビジネス日本語ガイダンスを2日間実施しています。また、同事業では、4年生向けの合同面接会の学内開催も行っているのですが、面接会終了後に企業人事担当者との交流会を実施しています。本プログラムに参加している学生には交流会の参加を誘導し、企業との接点の創出を行っています。
 一方で情報提供については、一般社団法人留学生支援ネットワークが運営する留学生就職支援ネットワークに本学は加入しており、キャリア支援ツールとしてのビジネス日本語や自己分析の教育コンテンツ、就職支援ツールとして業界研究、SPI対策問題集、面接対策などを利用した早期理解やグローバル企業採用情報等による企業研究などをセミナーの補足教材として活用しています。 

Q. グローバルリーダー育成プログラムを行う目的を教えて下さい。

留学生の就職活動において、もともと持っていた問題意識としては、一般的に言われている留学生の就職活動の開始時期が遅すぎるという点があります。早期でかつ長期、選考作業の複雑さなど世界の就職活動からかなりかけ離れたところにあるため、3.4年生対象の支援では、企業選びやキャリアプランの検討などのテクニカルな就職活動の準備が大変なため、十分な準備ができないまま就職活動に入ってしまっていると考えます。そのため、有名企業のみエントリーし、すぐに就職活動をあきらめてしまう留学生が多いという問題があります。このセミナーでは、早期から「業界研究」「日本企業の研究」のトレーニングをしておき、3年生で就職活動が始まったときにはスムーズに企業選択ができるようになること及び、中小企業を含めて広く日本企業を見て企業選択ができるようになることを狙いとしています。
 そのため、まずは日本企業文化を理解すること、企業がどのような人材を求めているかを理解すること、自分自身の能力・スキル・特性と向き合いキャリアを考えること等を講義、個人ワーク、グループワーク、クラス討論などを交えて実施しています。

Q. 留学生の就職支援について就職キャリア支援事務室と国際教育センターの連携について教えて下さい。

留学生の就職支援事業については、就職キャリア支援事務室が中心となって行っています。しかし、先ほども説明しましたが、国際教育センターでは就職キャリア支援事務室が実施する就職支援を補完するキャリア支援の取り組みを行っています。
 業務の分担は業務と対象年次の2つに分けて考えています。
 対象者の年次で説明すると、一般的な就職活動支援の対象となる3年生からの支援業務については就職キャリア支援事務室にてガイダンスや合同企業説明会等の事業を実施しています。
 国際教育センターでは、1年生から2年生の低学年を対象としたキャリア支援事業についてグローバルリーダー育成セミナーと情報提供を実施しています。
 業務では、窓口相談、留学生採用意欲の高い企業との窓口は就職キャリア支援事務室、企業との連携によるキャリア支援のためのセミナーの実施が国際教育センターの役割として棲み分けしています。
 そのほかに、国際教育センターでは、外国人留学生グローバル人材育成WGを設置して年3回程度実施しています。その会議には就職キャリア事務室からもオブザーバーとして参加頂き情報共有しています。また、昨今留学生の募集において、留学生および父兄からの就職についての質問が多いため、国際教育事務室の留学生募集担当がキャリア支援担当を兼務し、国内外の進学説明会、留学フェアでキャリア・就職支援について説明するなど、入り口から出口までの一体的に支援を行う体制作りを行っています。 

Q. プログラムの成果と今後の展望について教えて下さい。

グローバルリーダー育成プログラムについては、まだ昨年度から開始したため就職活動年次の留学生がいないため具体的な成果は出ていません。参加した留学生からは、就職活動への意識が変わったなど概ね好評でした。
 今後の展望については、グローバルリーダー育成プログラムを正規科目として実施できるようにしていきたいと考えています。正規科目となると単位取得ができるため参加者、参加率も上がってきます。また、登録留学生の自主活動組織化をしたいと考えています。あくまでも就職活動を行うのは留学生本人ですので、大学から一方通行的な支援ではなく、留学生が自主的にかつ継続的にトレーニングを行っていくためには、ある程度そういった組織が必要となってくると思います。

【取材の感想】

就職支援についても就職キャリア支援事務室が一通りの支援を留学生に特化して行っており、ビジネス日本語ガイダンスや在留資格変更のフォローなど幅広いサポートを行っておりすばらしい取り組みだと思いました。
 また、留学生の就職活動で問題となる業界・企業研究の不足の部分を低学年から留学生専門のキャリア教育という位置付けで行っており、全国でも珍しい取り組みだと思います。
 また、大学として留学生のキャリアの支援を真剣に考えている証として、留学生支援に密接に関係のある、就職キャリア支援事務室と国際教育センターがお互いに役割分担を明確に、相互の補完を行う連携ができている事が特に印象的でした。

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