高度実践留学生育成事業 四国地域
■ 4年間の事業の成果
四国地域においては、委託事業実施中から自立化を見据え、各地域の国立大学が中心となり、留学生の教育及び就職支援事業を継続的に低コストで実施できる体制を構築してきました。
本事業を通じ、各地域の大学においては、留学生へのビジネス日本語・日本ビジネス教育のカリキュラム・教材・教育方法の知見やノウハウの蓄積を行い、独自の教材や講師手引きを開発することができました。
また、留学生就職支援については、講義形式で留学生への日本での就職活動の理解、就職意識の向上を図るとともに、留学生に対応できるキャリアカウンセラーの配置や育成を行い、個別の相談にも対応できる体制を構築することができました。
さらに、留学生の就職活動に活用するため、企業情報を「企業情報リスト(2011年現在約400社)」としてデータベース化し、各地域で共有することにより、自立化以降も企業・就職情報連携ネットワークとして情報連携する体制を構築することができました。
その結果として、四国域内の参加留学生の就職率は7割という高い結果を残すことができました。また、就職者の内、半数以上が四国域内の企業に就職しており、地域企業の活性化にも寄与することができました。
四国域内の企業については、事業開始当初は留学生採用を実施している企業は少ない状況でしたが、プログラム参加大学のキャリアコーディネーターを中心に四国域内の企業を訪問し、留学生との接点(インターンシップ)の創出に努力するなどした結果、留学生の優秀さを理解してもらうことができ、留学生を採用する企業も徐々に増加しました。
また、各地域において当事業支援のための意見・情報交換の場として「地域連絡会」を立ち上げ、参加者の拡大や活動の強化を図り、加えて四国全体で「留学生支援事業四国推進連絡会」を組織することにより、大学と産業界との連携をさらに深め、留学生支援のネットワークを拡大しました。
■ 自立化後のコンソーシアムの取組内容
広島県においては、平成20年3月に「広島県人づくりビジョン」の目標である「国内外から人材が集まる魅力ある元気な広島県」の実現を目指して、国内外からの学生の受入環境の整備を促進するビジョンが発表されました。
これまで広島県内の留学生支援組織は広島大学を中心として運営していた「広島地域留学生交流推進会議」、広島経済大学が事務局の「広島地域留学生団体育成支援協議会」等の大学間の支援組織や行政が中心となった(財)広島国際センターや(公財)広島平和文化センター等、組織の一元化が図られていない状況でした。 そのため、平成21年5月には、大学をはじめとする関係団体で構成する「広島県留学生受入促進等研究会」が設立され、平成22年度の「広島県留学生活躍支援組織検討会」において留学生支援事業や組織体制等の提言が行われました。
その結果、平成23年4月には県内大学、自治体、関係団体等が連携して、優秀な留学生の受入促進から県内における勉学・生活・就職支援などを総合的に行う新たな留学生支援組織である広島県留学生活躍支援センターが大学連携組織である一般社団法人教育ネットワーク中国の中に設立されました。
広島県留学生活躍支援センターの実施事業には、アジア人財資金構想中国地域のビジネス日本語・日本ビジネス事業・インターンシップ事業・就職支援事業などの知見・ノウハウを提供して運営しています。
広島県留学生活躍支援センターの平成23年度事業は15の事業が予定されています。
また、中国地域の広域事業として社団法人中国ニュービジネス協議会が、企業と留学生の採用・活用促進事業として採用のマッチングを支援する「留学生就職支援システム」を構築し運用を一部開始しています。
【広島県留学生活躍支援センター平成23年度実施事業】
各地域、各大学にて自立的に事業を継続すると共に、地域間の連携事業として、「留学生支援事業四国推進連絡会」を開催することで情報の共有を行い、地域全体で当事業の推進を行っています。
【徳島地域】徳島大学
□ ビジネス日本語・日本ビジネス教育
全学共通教育科目として、授業科目「日本語3(前期)」「日本語4(後期)」を開設
□ 就職支援
就職支援室にてキャリアコーディネーターが個別カウンセリングを実施
【香川地域】香川大学、高松大学(高松大学では一部のみ実施)
□ ビジネス日本語・日本ビジネス教育
全学共通科目「日本事情」として単位化(2単位)し、実施
(内容は、日本社会におけるキャリアやビジネスマナー等)
□ 就職支援
・留学生を対象としてセミナー、マナー講座、企業見学会を実施予定
・キャリア支援センターにて相談を受付
・キャリア支援センターにてインターンシップを受付
【愛媛地域】愛媛大学、松山大学(松山大学では一部のみ実施)
□ ビジネス日本語・日本ビジネス教育
■ビジネス日本語
『日本語読解作文E1』共通教育2単位(週1時限)
『日本語総合E1』 同上
■日本ビジネス教育(週2時限)
前期は「インターンシップセミナー」として実施(内容は、日本の企業文化・組織、接遇マナー、社会人基礎力、ビジネス文書、インターンシップの心構え等)
後期は、就職支援セミナーを実施予定(内容は、業界分析、エントリー方法、選考試験対応、就職試験実践体験、先輩に聞く、就活戦略―審査ポイント編― 等)
□ インターンシップ
・7~9月にかけて6社で実施。期間は3日~2週間
・「大学コンソーシアムえひめ」インターンシップ・プログラム(愛媛大学・松山大学・松山東雲女子大学・松山東雲短期大学の4大学による合同プログラム)8~9月に実施
□ 就職支援
引き続きキャリアコンサルタント(3名)を採用し、個別カウンセリング及び研修等を実施
□ 留学生向けセミナー・ガイダンス
通年:日本文化研修(企業見学)
他大学の留学生との交流研修
俳句を通して日本人を知る(愛媛県現代俳句協会長)
3~4月:プログラム説明会・プログラム生採用試験・オリエンテーション
9月:三島高校書道部との交流研修
9月:プレゼンテーション力向上研修
10月:インターンシップ報告会実施予定
10月:ブラッシュアップセミナー(15回)実施予定
【高知地域】高知大学
□ ビジネス日本語・日本ビジネス教育
内容は、ビジネス発想、会社のトラブル基礎知識、基礎ビジネス文章、日本ビジネス教育、日本ビジネス、社会人基礎力等
□ 就職支援
専任のキャリアコンサルタント(1名)が個別カウンセリングを実施
□ 企業向け・留学生向けセミナー
12月実施予定。(講師:JICA四国支部長)
高知地域連絡会と併せて実施予定
※2012年からグローバル人材育成を目的とした、「国際人材育成コース」を開設予定
【地域連携】
□ 各地域連絡会
各地域において、当事業実施のための意見情報交換の場として定期的に実施
□ 留学生支援事業四国推進連絡会
四地域の参加大学、四国経済産業局、県、経済・産業団体等で構成し、各地域の情報共有の場として定期的に実施
■ 留学生、大学、企業が参加するメリット
□ 留学生
・就職活動についての知識、日本のビジネス習慣についての知識等を身につけることが可能
・留学生採用企業情報の入手が可能
・就職活動における個別の相談について専門のキャリアコンサルタントが対応可能(一部地域)
・日本企業で働くための日本語能力を身につけることが可能(一部地域)
・日本企業の就業体験が可能(インターンシップ)(一部地域)
□ 大学
・留学生支援の強化が可能
・支援の充実により、更に優秀な留学生の確保が可能
・留学生OBネットワークの充実による大学のグローバル化が可能
□ 企業
・優秀な留学生の採用により、グローバル化を推進することが可能
・インターンシップ受入による社内の活性化が可能
■ 留学生、大学、企業の参加方法
【参加方法】詳細は下記連絡先へお問合せ下さい
■ 連絡先
【徳島地域】
国立大学法人 徳島大学 研究国際部国際課
TEL:088-656-7491
E-mail:ryugaku@jim.tokushima-u.ac.jp
【香川地域】
国立大学法人 香川大学 インターナショナルオフィス 留学生センター
TEL:087-832-1193
E-mail:soryugat@jim.ao.kagawa-u.ac.jp
ホームページ:http://www.kagawa-u.ac.jp/kuio/isc/
学校法人 四国高松学園 高松大学 学生支援部
TEL:087-841-3255
E-mail:daojing@takamatsu-u.ac.jp
【愛媛地域】
国立大学法人 愛媛大学 国際連携推進機構
TEL:089-927-8104
E-mail:kokugaku@stu.ehime-u.ac.jp
学校法人 松山大学 国際センター事務部
TEL:089-926-7148
E-mail:mu-kokusai@matsuyama-u.jp
【高知地域】
国立大学法人 高知大学 国際・地域連携センター国際連携部門
TEL:088-844-8645
E-mail:kt08@kouchi-u.ac.jp