アジア人材資金構想

高度実践留学生育成事業 沖縄地域

■ 4年間の事業の成果

沖縄地域については、高度実践事業において全国で唯一大学が管理法人を受託しており、当事業を推進する上で産業界との接点創出が課題となりました。
 沖縄地域ではプログラム開始当初は県内の留学生採用企業は少なかったのですが、活用セミナーや各企業への訪問、インターンシップの実施などを経て、少しずつ企業の理解を得ることができました。その中で、インターンシップや修了生の就職など、企業との直接の接点により、留学生の優秀さを認識していただいたことが企業側の留学生採用に対する理解に繋がりました。現在では、インターンシップを継続して実施している企業も出てきており、企業における留学生採用のマインドもプログラム開始当初に比べると大きく変わりつつあります。
 また、教育についてはこれまで学内になかった学問体系であるビジネス日本語・日本ビジネス教育を、事業期間中に得た知見やノウハウをもとにカリキュラム・教材・指導法を確立し、さらに、修了生や修了生が就職した企業にインタビュー調査を行い、入社後のビジネス日本語・日本ビジネス教育の効果を検証することにより、企業入社後により効果的なプログラムにブラッシュアップさせることができました。
 その結果、ビジネス日本語を正規科目として事業修了後に開講できたことは非常に大きな財産であり、今後の留学生の就職支援においても重要な位置づけになると考えています。
 一方で就職支援事業についても、これまで留学生に特化した支援ノウハウや知見が不足していましたが、事業で得た知見やノウハウ、他大学の成功事例などの吸収により琉球大学独自の支援法を確立することができました。特に留学生に特化したキャリアカウンセラーの導入により、個別カウンセリングが内定率を向上させる要因となっています。そして、事業修了後も継続して登用することにより、就職課の他のキャリアカウンセラーやスタッフにも知見・ノウハウの共有を行っており、今後の留学生就職支援に大きな役割を果たしていくと考えています。
 さらに本事業の「ビジネス日本語」の教育、インターンシップ、就職支援という一連の事業の流れを通じて、留学生センターと就職課の連携を密接に行うことにより留学生の就職課利用率が大きく向上したことも成果といえます。また自校だけでなく、沖縄県下の大学へも「ビジネス日本語」教育の運営方法、就職支援事業の知見・ノウハウなどの共有を研修や教材、ツールの提供を通じて広く行うことができました。「ビジネス日本語」教育については、一部参加大学でも試験的に導入する動きも出始めており、今後も教育、就職支援など情報を共有しながら継続的に連携していきたいと考えています。

■ 自立化後のコンソーシアムの取組内容

沖縄地域

琉球大学においては、「アジア人財資金構想」で得た知見、ノウハウをもとにビジネス日本語教育・インターンシップ・就職支援について学内に定着化することができました。
 また沖縄地区の他大学については各大学で使用できる2種類の「ビジネス日本語テキスト」、「外国人留学生のための就職活動ガイド」(6カ国語版)を作成し各大学に配布しました。
今後は、各大学と連携、情報共有を行いながら、留学生が自己学習できるよう「解説書」(予定)等、必要なコンテンツの配信や、支援を行う予定です。

【琉球大学】
□ ビジネス日本語教育

平成22年度より正規科目として「ビジネス日本Ⅰ」(前期)「ビジネス日本語Ⅱ」(後期)を開講(各90分×15コマ:1単位)
留学生センター科目として「ビジネス日本語入門」を開講(90分×15コマ)

□ インターンシップ

JASSOのインターンシッププログラムを受託し、「アジア人財資金構想」事業の「ビジネス日本語教育」や「インターンシップ受入先」等のノウハウ・協力機関などを活用して、プログラムを実施しています。また「ビジネス日本語」受講者のインターンシップへの参加希望が多いことから、就職課と連携しながら、留学生のインターンシップを推進しています。

□ 就職セミナー(留学生限定)

留学生が日本での就職活動を行うために必要な知識やスキルを身につけるためのセミナーを年4回実施します。

□ 就職支援

「アジア人財資金構想」において採用したキャリア・カウンセラーを継続採用し、留学生に対する個別のカウンセリングを実施しています。また留学生へのキャリア・カウンセリングの方法などを他のキャリア・カウンセラーや職員に伝達し共有しています。

【他大学への支援】
□ 自立化促進セミナーの開催

・ビジネス日本語教育(シラバスの構成、テキストを使用した授業展開の手法、受講者の評価方法、教材)
・就職支援(各地の大学の成功事例、企業の採用ニーズ、留学生の特性、日本人学生との共通点、相違点、留学生のキャリアセンター利用を増やす方法)

□ ツールの開発と提供

・ビジネス日本語教育「BJTビジネス日本語能力テスト 練習とクイズ」
・「BJTビジネス日本語能力テスト 練習とクイズ スクリプト」
・「BJTビジネス日本語能力テスト 練習とクイズ CD4枚」
・「BJTビジネス日本語能力テスト 模擬テスト」
・「BJTビジネス日本語能力テスト 模擬テスト解説書」(作成中)
・ 就職支援「外国人留学生のための就職活動ガイド」(6ヶ国版)

■ 留学生、大学、企業が参加するメリット

□ 留学生

・日本企業で働くために必要なビジネス日本語能力を身につけることが可能
・日本企業の就業体験(インターンシップ)先の探し方などの情報取得が可能
・就職活動全般のカウンセリングを受けることが可能

□ 大学

・留学生へのビジネス日本語教育、就職支援ツールの取得が可能
・ビジネス日本語教育導入、運用ノウハウの取得が可能

□ 企業

・インターンシップ受入による海外人材の採用準備が可能
・ 優秀な海外人材との接点創出

■ 留学生、大学、企業の参加方法

□ 留学生

【対象】
 琉球大学に在籍する留学生
【参加方法】
■ビジネス日本語教育
 「ビジネス日本語Ⅰ」(正規科目 前期)
 「ビジネス日本語Ⅱ」(正規科目 後期)
 「ビジネス日本語入門」(留学生センター科目)

■就職支援

就職課と留学生センターにて個別カウンセリングを実施

□ 大学

【対象】留学生支援(ビジネス日本語教育、就職支援)ツールを必要とする大学
【参加方法】下記連絡先にお問い合わせ下さい

□ 企業

【対象】留学生のインターンシップ受入や採用意向をもつ企業
【参加方法】下記に連絡先へお問い合わせ下さい

■ 連絡先

国立大学法人 琉球大学
TEL:098-895-8131

↑このページのトップへ