取り組み事例紹介

富士ソフト株式会社

〈業種〉情報通信 ─〈分類〉ライフライン(一般適応)

活用目的別に展開する3つの採用戦略

Q. 外国人社員採用の背景と現状を教えてください。

当社は独立系ITソリューションベンダーとして金融業界や官公庁向けの業務系ソフトウェア開発、携帯電話・デジタル家電等の制御系組込ソフトウェア開発、またコンサルティングからアウトソーシングまでの総合的なITサービスを提供しています。さらに近年はSaaS事業やクラウドコンピューティングなど新規事業にも参入しています。社員の採用は、年にもよりますが毎年新卒学生・経験者ともにそれぞれ100名~300名、合計で年間200名~600名程度を採用しています。現在、富士ソフト単体で約6,000名の社員が在籍していますが、このうち、外国人社員は100名ほどいます。外国人社員の国籍は50%が中国、25%が韓国、残り25%の中に、東南アジア、アメリカ、アフリカ、アイルランドなど様々な国籍の方がいます。当社における外国人社員の採用目的については、現状実施している、国籍不問採用とアイルランド政府産業開発庁の提供するプログラムでの受け入れ、また、将来的な採用目的として当社のグローバル展開に対応した、国・地域と関連する戦略要員採用の3つに分類できると考えています。

Q. 3つの採用手法について詳しく教えてください。

一つ目のいわゆる国籍不問採用は、あくまでも通常の採用活動を行った結果としての外国人社員ということであり、言語能力はじめすべて日本人学生と同じ選考基準をクリアしています。留学生の場合、そもそもエントリーの母集団が日本人と比べると圧倒的に少ないので結果として先ほど申し上げた年間採用人数の2~3%が外国人社員となっています。
 二つ目は、アイルランドからの採用でアイルランド政府産業開発庁の提供する学士卒業生海外企業派遣プログラム(FÁS Oversea Graduate Program)を通じての人材採用です。このプログラムは、アイルランドにて就業前の導入教育を行い、渡航費の往復を負担し海外企業への学士卒業者を企業に派遣プログラムで、2年間は契約社員として働き、満了後、双方合意のもと受け入れ企業で正社員として働くか、退職等その他の進路に進むかという選択をします。このプログラムを通じての採用の場合、日本語能力はなく社内で配属される仕事内容もプロダクトビジネスなど主に英語で仕事を進められる環境となっています。
 三つ目は、当社のグローバル展開に対応した国・地域と関連する戦略要員の採用で、ブリッジ人材といってもよいかもしれません。この点については今後の海外事業展開の推進と連動した採用計画を作っていくことになります。

Q. 留学生のインターンシップ等、取組はありますか。

海外の大学生や国内の大学の留学生などインターンシップについては様々な取組をしています。今年度は、国内では会津大学より留学生を2週間程度受け入れましたし、海外の大学ではアメリカのスタンフォード大学やヨーロッパの大学から1~2名を3カ月程度受け入れています。時間が短い場合は何をしてもらうのか、という課題が出ることもありますが、当社の場合は採用手法としてのインターンシップというよりは学生にとっては純粋に職場実習をしてもらう意味合いと、当社の社員にとっては海外の人材と一緒に机を並べて働く機会をもつ、グローバルという意味を考えるきっかけとするという意味合いがありよい意味で刺激となっているようです。職場の活性化のためには必要と考えていますので今後も継続したいと考えております。

Q. 役職者への登用について教えてください。

通常ですと、ある部署で勤務してから4~6年でリーダー職などの役職者になります。新卒で入社すると20代後半といったところです。役職者への登用にあたっての評価は技術力及びマネージメントスキルを、職場上司により評価されますが、外国人社員の場合も、日本人と全く同じプロセスを経ます。ただし、登用結果をみると、全社で約25%が役職者となっているのに対し、外国人社員だけの比率だと10%程度しか登用されていません。これは入社後、年次がまだ浅い等、いろいろな要素があり一概には言えませんが、役職者の登用比率を高めていくことが課題でもあると思います。

Q. 今後のグローバル展開と人材戦略について教えてください。

当社はもともと、国内を中心に事業を展開してきましたが、2009年に台湾・台北市に、当社初となる海外拠点を開設し、現在、現地企業と組込系 ソフトウェアビジネスのアライアンスを行っています。今後、台北以外の地域においても海外ビジネスの展開を推進していく予定ですので今後の事業戦略としては、よりグローバルな視点からの事業ビジョンで積極的な海外展開を図り、ビジネスモデルの再構築をさらに加速させていきたく考えています。今まで培ってきた外国人社員採用のノウハウ、インターンシップ受入やロボット相撲を通じた海外のエンジニアとの交流、管理職社員登用への課題対応などを活かし、今後は事業のグローバル展開にあわせた人事制度や評価の仕方、育成などについて整備・強化を図っていきたいと考えています。

〈企業情報〉
富士ソフト株式会社
設立 1970年5月15日
決算期 3月31日
本社所在地 神奈川県横浜市中区桜木町1-1
資本金 262億0,028万円(2009年3月末現在)
売上 821億5,367万円(2009年3月期)
従業員数 6,058名(2009年3月末現在)
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